『僕のそばに』と河口恭吾 『桜』と平原綾香『Jupiter』

ヒットチャートの曲をだらーっと聞いたらおもしろかった。手を上にしたり下にしたり、虚空を包むようにしたりしながら歌う歌が多すぎ!

徳永英明『僕のそばに』を思い出させる(抑えた書き方をしております)河口恭吾『桜』と、ホルスト組曲「惑星」をモチーフにしたという平原綾香『Jupiter』。特に、この2曲の歌詞には驚いた。

『Jupiter』の詞は、いきなり英語で、毎日、私は私のハートを聞くと歌い、すぐひとりじゃないと言う。独りじゃん! 矛盾してるじゃん!とつっこみたくなるこの二律背反を歌っている。プロモーションビデオも孤独。他には誰もまったくいないステージで、ひとり歌っているというもの。

さらに、孤独が愛を学ぶためにあると説き、宇宙に包まれているので独りじゃないと説く。ラスト数フレーズ以外は、私と宇宙しか登場しない。セカイ系だ。

最後の最後になって、あなたのために歌うとか、あなたの涙といった感じで、「あなた」が登場する。が、これも「あなた」という目の前の一人の人間じゃないのはあきらかだ。

ここまで孤独感にうちのめされていながら、宇宙とか奇跡といった根拠で「ひとりじゃない」と歌いあげる姿は、ある種、神々しい。



邪悪な人は、次のような設定の歌詞だと思って聞くとよい。

恋人に逃げられ、孤独に耐えられなくなったので、プレアデス星団の宇宙人とコンタクトしたとか言ってるタイプの宗教に逃避しちゃった人の叫び。