米光一成『仕事を100倍楽しくするプロジェクト攻略本』

米光一成『仕事を100倍楽しくするプロジェクト攻略本』(KKベストセラーズISBN:4584130078
発売です。

『仕事を100倍楽しくするプロジェクト攻略本』の特徴。

■ビジネス書では珍しい「楽しいプロジェクト型」を解説
「ひとりのすごいリーダー」になるための本ではなく「楽しいプロジェクト型」を解説した本です。「楽しいプロジェクト型」というのは「メンバー全員が自分の意志で創作して、それをひとつの集団として成立させることでプロジェクトを進めていく。リーダーはそうなるように場を作り維持する」という働き方のスタイルです。

■すべての集団創作に応用可能
仕事だけじゃなく、ゲーム制作、文化祭、イベント、起業、創作活動、ピクニックなど、すべての集団創作に応用可能な内容です。

■ゲーム制作、本作りにも対応
ゲーム制作の経験を反映しているので、「ぷよぷよ」制作時のエピソード、「バロック」の初期企画案(プロジェクトマトリクス)など、ゲーム制作の実例も入っています。何人かで集まってゲームを作ってる人、作ろうと思っている人はぜひ読んでください。
この本の制作そのものもプロジェクトと考えて行動しているので、本書自体の初期企画案や会議資料も登場します。何人かで本を作ろうと思っている人もぜひ。
イラストはナカシマカズユキ。スーファミ時代の中堅メーカーの「ちょい固い感じ」をイメージしたドット絵のイラストです。

■プロジェクトの根本原理を書いた
細かいテクニック的なものよりも、土台・基礎を中心に書きました。プロジェクトの土台・基礎さえできれば、細かいテクニックはプロジェクトの中でどんどん見つけ出せると考えています。逆に細かいテクニックだけを実行しようと思っても、土台・基礎ができてなければ、付け焼き刃で、ぎくしゃくしたものになり、うまく行きません。
ビジネス書をパッと立ち読みして買うかどうか決めるときに、ティップス的なテクニックがたくさんあるほうが「欲しくなる」ので売れる、というのは分かっているのですが、そういう方法は取りませんでした。

■「煽り」は省略した
実質的な内容よりも、「煽り」のほうが長いビジネス書・自己啓発書がたくさんあります。「凄いテクニックをこれから紹介するよ」「あなたの年収を10倍にするのが本書の目的だ」「これから書く方法でぼくはこんなすごいことになったよ」「ビジネスのパラダイムシフトが!」とか、そういった煽りが続く。
これも最初のところを立ち読みしてる時に欲しくさせるテクニックとして凄いと思うけど、そういう方法は取りませんでした。
煽ってやる気にさせる本ではなくて、自分の中にある本当の気持ちで動くときに役に立つ考え方を書きました。

■じわじわ効いてくる本を
ビジネス書・自己啓発書の長い「煽り」には、読んだ後「やる気」が出るという効能があります。特に自己啓発書の場合だと、読んだあとに出てくる「やる気」は、半分以上は大げさな煽りのおかげでしょう。でも、ぼくの場合、煽られて出てきた「やる気」は一日ぐらいしか持続しません。
「煽り」や「細かいテクニック」じゃなくて、根本原理を書く。という方針なので、パッと読んで小さくパッと役立つわけでもなく、瞬発的にやる気が出てくる本でもありません。
読んだ後、じわじわと効いてくる本を目指しました。じわじわと良いループになってくるきっかけとなるような内容を心がけました。

■薄い!
薄い本を目指して作りました。126ページの薄い本です。
プロジェクトの進行をスムーズにするためには、プロジェクトメンバー全員が、プロジェクトに対するひとつの考え方を共有する必要があります。
自分だけが「楽しいプロジェクト型」でやろうと考えているだけじゃなくて、メンバー全員がそう考えるほうが、プロジェクトの進行は格段に楽しくなります。
だから、買った人が、他のメンバーに「読んでみて」「薄い本だからアッという間に読めるよ」って気軽に渡せる本にしたかったのです。
「すごいリーダー型」のリーダーに困っている若い人が、そのリーダーに「おもしろい本なので読んでみてください」と渡して、その後に上司と若い人がプロジェクトの在り方について語り合う、そんな本になるといいなぁと思って書きました。